あの空の色がほしい
- あの空の色が欲しい/蟹江杏
- 1,800円+税(10%税込1,980円)
054-251-8700
商品の説明
土手沿いの、壁や庭に彫刻が配された風変わりな家の門には「美術教室」の看板があります。4年生の女の子マコがずっと気になっていたその家の呼び鈴を鳴らすと、出てきたのは小汚いオッサン。がっかりし一瞬ひるんだマコですが、彼から絵を習うことに。
実はマコ自身、学校生活の中で自分だけちがう感覚をずっと抱いています。そんなマコはオッサンの近所での評判や常軌を逸した言動よりも芸術家としての本質に深く共鳴します。それでも学校で彼自身や彼との交流について悪口を言われた時には我を忘れて怒りを爆発させた後、こっそり通うようになったりもします。
幸いマコの両親は彼女を深い理解と愛情で見守ってくれるだけでなく、オッサンともあたたかく関わります。またオッサンの妻と息子たちは家を出て行ったのですが、次男は時折オッサンに会いにきていて、マコとも親しくなります。ところが、オッサンが大きな不幸に見舞われたことから美術教室は打ち切られ、マコはその後オッサンに会わなくなります。
成長し画家となったマコが彼の死の知らせを受けるところから始まる物語は、オッサンと過ごした濃密な日々を描き、最後にもう一度現在に戻ります…。
私はなぜか、読後しばらく泣きました。人がそれぞれ抱えている感情とそれを抱えながら何とか生きていること。そんな人同士が関わることと、抱えきれなくなったり関わりきれなくなったりする瞬間。避けて通れない別離。そんな人の心を揺さぶる芸術というものと、それを生み出すこと。本も心を揺さぶる。私がこの本から汲み取ったのはこんなことでした。きっと読み手によって受け取るものはちがうと思います。上級向きです。
(コプタ通信2025年2月号より つきちゃんこと築山真希子)
お絵描きが大好きなマコは小学四年生。ある日、風変わりな家に住む、近所で変人と噂される芸術家に、絵を習いたいと頼み込むが !? 二人の奇妙な交流を描く落合恵子さん絶賛の感動小説!
(出版社サイトより)
商品詳細
著: | 蟹江 杏 |
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内容: | 224ページ |
製作: | 河出書房新社 (日本) |
初版発行日: | 2024年05月30日 |
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