杉森くんを殺すには

  • 杉森くんを殺すには/長谷川まりる
  • 1,400円+税(10%税込1,540円)
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商品の説明

「杉森くんを殺すことにしたわたしは、とりあえずミトさんに報告の電話を入れた。」で始まる本作。語り手の「わたし」ことヒロは高校1年生。ヒロが絶大な信頼を寄せていると思われる『ミトさん』はヒロの兄らしい。では、なぜ殺したいの?そもそも杉森くんとは?冒頭から引き込まれて読み進むと、その章の終わりに書体を変えて「杉森くんを殺す理由その一」として小二の時のエピソードが。なるほど。杉森くんは意地悪なのね…。

その後も各章ごとに15の「殺す理由」が語られ、杉森くんとヒロの関係、なぜヒロが杉森くんを殺したいのかが明らかにされます。そして、それと並行して各章の前半ではヒロの現在の高校生活が進むのですが、ヒロは杉森くんを殺して刑に服すことになった時に後悔しないために、貯金をはたいて大人買いした漫画をカバンに詰めて登校し、授業中に読むという暴挙に出たり、遊園地でジェットコースターに乗りたいからと、席が近いという理由だけで「佐藤さん」と「矢口くん」を誘ったりします。いったい、ヒロの真意はどこにあるのでしょう?

読み進めていくうちにほどけていく謎と、ヒロの心。これが本作のキモなのでくわしいことは書けませんが、色々予想を裏切られました。そして思いのほか、重いテーマでした。読者の中には途中で読むのがつらくなる方もおられるかも知れませんが、私はヒロとミトさんや佐藤さんたちの軽妙な会話が楽しかったし、結末もあたたかくて好きです。おもしろいよ!という言葉でおすすめできる本ではないのですが一気に読めることは保証します。ぜひ、ご自身で読んで、気になるタイトルの意味をたしかめてください。

(コプタ通信2024年1月号より つきちゃんこと築山真希子)

主人公・ヒロの再生の物語を通して、読者に、自分や近しい人々の心の問題とどう関わっていくべきか考える機会を提供する創作児童文学。

――「杉森くんを殺すことにしたの」
 高校1年生のヒロは、一大決心をして兄のミトさんに電話をかけた。ヒロは友人の杉森くんを殺すことにしたのだ。そんなヒロにミトさんは「今のうちにやりのこしたことをやっておくこと、裁判所で理由を話すために、どうして杉森くんを殺すことにしたのか、きちんと言葉にしておくこと」という2つの助言をする。具体的な助言に納得したヒロは、ミトさんからのアドバイスをあますことなく実践していくことにするが……。

傷ついた心を、取りもどす物語

(出版社サイトより)

商品詳細

作: 長谷川 まりる
絵: おさつ
寸法: 19.5×13.6cm
内容: 208ページ
製作: くもん出版 (日本)
初版発行日: 2023年09月

商品の仕様(色、材質、形状、パッケージなど)は予告なく変更することがあります。記載されているすべての寸法と重量は目安であり、それをお約束するものではありません。

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