木馬のぼうけん旅行

木馬のぼうけん旅行

商品の説明

木のおもちゃを作って売り歩くビーダーおじさんの、これまでで一番上手にできた木馬は売られて広い世界に出て行きたがらない。大好きなご主人のそばにいて役に立ち、一緒に旅をすることだけが望みなのだ。ところが時代が変わり、旅回りのおじさんの話を楽しみにしていた人々が新聞を読み、町のお店で量産される安いおもちゃを買うようになった。おじさんは貧乏になり病気になってしまう。行きだおれたおじさんは親切だがかんしゃくもちのおばあさんの世話になるが、木馬はおばあさんにたきぎにされそうになり、命からがら逃げ出す。そしておじさんのためにお金をかせいで来ようと旅に出る。

悪い地主にこき使われた後、海を越えて遠い国に行き、王女さまに可愛がられたり炭坑で生き埋めになったり、海賊に拾われたりと、旅はまさに波瀾万丈！出会うのは心やさしい人や心根の曲がった人などこれまた十人十色。木馬を気に入った人からは同じような木馬を作ってくれと、仕事の注文ももらう。そして期待どおりおじさんと再会するのだが、最後にもひとひねりあり、満足できることうけあい。

おとぎ話らしいやさしい語り口ながら描写は的確、決して甘ったるくはなく、この味わい深さは大きい人にもぜひ！の古典的一冊です。

（築山真希子）