アイルランドの妖精のおはなし

クリスマスの小屋

  • クリスマスの小屋/ルース・ソーヤー再話
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商品の説明

渡り行く家々で、人々に献身的に尽くす捨て子のオーナ。彼女の夢は、いつか自分の小屋を持つこと…。ホワイト・クリスマスに現れる不思議な小屋にまつわるこのお話からは、やさしさと美しさ、そしてかなしさと残酷さとが、しんみりと降り積もる雪のように心に触れてきます。物語を包み込むようなあたたかい絵とともに、救いと祈りを思わずにはいられない一冊です。

(ようじゆかり)

アイルランドの街道をゆく流れもののいかけ屋たちが、ある村の小屋の前に赤ん坊を置いていきました。その子はオーナと名付けられ、美しく気立てのよい娘になりましたが、その生まれのせいで結婚も望めず、養い親が死ぬと家々を渡り歩いて住み込みで働く日々を送り、そのまま年老いていきました。

オーナにはいつか自分の小屋を持ちたいという夢があって、雇い主からの餞別にはいつも家庭で使う品々をもらうので、荷物はどんどん大きくなりました。ある時、村をひどい飢饉が襲い、口減らしのためにオーナは小屋を出ることに。「一生他人の小屋で暮らして、家事をして(中略)愛してやって。自分の小屋をもつどころか、家族とよべるものはだれもいない。」年老いたオーナの切ない姿です。その晩はクリスマス・イヴ。妖精の塚があるという沼地の丘で、オーナは妖精たちに出会います…。

妖精たちの夢のようなあたたかい魔法と、孤独や貧しさなどに苦しむ人々への慰めと希望に満ちた結末は、深く心に響きました。稀代のストーリーテラーかつ優れた作家の手による再話、さすがです。

「流れもののいかけ屋」とはヨーロッパで差別的待遇を受けてきたロマまたはジプシーと呼ばれる人々ではないかと思うのですが…。

物語は短く、文章も簡潔ですが、オーナの生涯の過酷さや物語の成立の背景など、色々思いめぐらせることができました。大人になると色々なことが見えるんだな〜としみじみ。子どもや若い読者はむずかしいことは考えず、美しく不思議な物語として受け取ってくれたらいいなと思います。

装丁も美しく、クリスマスの贈り物にぴったり!誰か私にも贈ってくれないかな〜。

(コプタ通信2022年1月号より つきちゃんこと築山真希子)

感動を呼ぶ、アイルランドの幻想的な伝説

流れ者の娘オーナは、逆境の中でもいつか自分の小屋を持つという夢を持ち前向きに生きていきます。オーナが老いを迎えたある年のクリスマス、妖精たちはオーナにすばらしい小屋を作り、贈りました。それから百年がたった今でも、毎年ホワイトクリスマスになると、オーナは世界中の飢えた者たちをその小屋にを招き入れごちそうをしているのです。―アイルランドの美しい伝説が、稀代のストーリーテラーにより幻想的に語られます。

(出版社サイトより)

商品詳細

再話: ルース・ソーヤー
訳: 上條 由美子
画: 岸野 衣里子
寸法: 22×15cm
内容: 64ページ
製作: 福音館書店 (日本)
初版発行日: 2020年10月15日

商品の仕様(色、材質、形状、パッケージなど)は予告なく変更することがあります。記載されているすべての寸法と重量は目安であり、それをお約束するものではありません。

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