夜の日記

  • 夜の日記/ヴィーラヒラナンダニ・山田文
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商品の説明

舞台は1947年のインド。ヒンドゥー教徒の父をもつ12歳の少女ニーシャーは住んでいた地域がイスラム教国パキスタンになるため家を追われます。物語は、父・祖母・双子の弟4人で砂漠を越え、熱中症や栄養失調で命を落としかけたり暴力にさらされたりといった苦難をくぐって新天地にたどり着くまでを、彼女の日記の形で描きます。

実はニーシャーは弟と住み込み料理人のカジ以外にはほぼ口をきかず、学校でも声を出せませんでした。しかし心の中には思いがあふれており、それを亡き母に語りかけるように日記帳に綴っているのです。亡き母はイスラム教徒で両親は周囲の反対を押し切って結婚したそうです。日記には識字障害のあるらしい弟や、我が子との間にはちょっと距離があるけれど時々すてきな言動をみせる医師の父などニーシャーの身の回りの人たちも生き生きと描かれます。イスラム教徒なので一緒に来られなかったカジはニーシャーたちを愛情深く育ててくれたよき理解者で日記帳の贈り主です。

私は申し訳ないことにこの作品を読むまで1947年当時、インドがイギリスの植民地支配から独立するにあたり二つの国に分割されてパキスタンができたことを知りませんでした。今も世界中で宗教による対立や紛争があり、ひどいことがたくさん起きていることを思うと、昔から何も変わらないのかなと絶望的な気持ちも湧いてきます。それでも知らなければ何もしないので、知ることができてよかったと思います。そして改めてほんの少しでも世界をあたたかくするために自分にできることを探してみて、まずはこの本をご紹介しようと思いました。届きますように。

(コプタ通信2024年12月号より つきちゃんこと築山真希子)

ニューベリー賞オナー賞受賞作!

イギリスからの独立とともに、ふたつに分かれてしまった祖国。ちがう宗教を信じる者たちが、互いを憎みあい、傷つけあっていく。少女とその家族は安全を求めて、長い旅に出た。自分の思いをことばにできない少女は亡き母にあてて、揺れる心を日記につづる。

(出版社サイトより)

商品詳細

作: ヴィーラ・ヒラナンダニ
訳: 山田 文
内容: 240ページ
製作: 作品社 (日本)
初版発行日: 2024年07月

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