小さな学問の書2
復刊 あたらしい憲法のはなし
- 復刊 あたらしい憲法のはなし
- 286円+税(10%税込315円)
054-251-8700
商品の説明
第2次世界大戦後、1946年11月に公布され、翌1947年5月3日に施行された日本国憲法の手引きとして文部省が作成したものです。1947年8月2日に発行され、当初は副読本として使われ、翌1948年度から新制中学校1年生の教科書となり、1951年度まで使用されました。
それまでの「大日本帝国憲法」と大きく変わった内容を中学生にも理解できるように工夫されています。 「みなさん、あたらしい憲法ができました。そうして昭和二十二年五月三日から、私たち日本国民は、この憲法を守ってゆくことになりました。」という言葉から始まり、平易な言葉で語りかけるように書かれています。憲法の条文そのままではわかりにくいわけですが、その精神や目指すところを噛み砕いて説明してくれるのです。 適所に配された図もわかりやすく、憲法の考え方を理解するにはうってつけの冊子です。
憲法の前文にある、民主主義、国際平和主義、主権在民主義を解説し、続いて天皇陛下、戦争の放棄、基本的人権など15項目にわたって、丁寧に説明が続きます。
「戦争の放棄」について書かれた文章を読むと、胸が熱くなるのは私だけでしょうか。
みなさんのなかには、こんどの戦争に、おとうさんやにいさんを送りだされた人も多いでしょう。ごぶじにおかえりになったでしょうか。それともとうとうおかえりにならなかったでしょうか。 また、くうしゅうで、家やうちの人をなくされた人も多いでしょう。いまやっと戦争はおわりました。二度とこんなおそろしい、かなしい思いをしたくないと思いませんか。 こんな戦争をして、日本の国はどんな利益があったでしょうか。何もありません。ただ、おそろしい、かなしいことが、たくさんおこっただけではありませんか。戦争は人間をほろぼすことです。世の中のよいものをこわすことです。 (中略)
そこでこんどの憲法では、日本の国が、けっして二度と戦争をしないように、二つのことをきめました。その一つは、兵隊も軍艦も飛行機も、およそ戦争をするためのものは、いっさいもたないということです。(中略) しかしみなさんは、けっして心ぼそく思うことはありません。日本は正しいことを、ほかの国よりさきに行ったのです。世の中に、正しいことぐらい強いものはありません。
もう一つは、よその国と争いごとがおこったとき、けっして戦争によって、相手をまかして、じぶんのいいぶんをとおそうとしないということをきめたのです。 (中略)また、戦争とまでゆかずとも、国の力で、相手をおどすようなことは、いっさいしないことにきめたのです。これを戦争の放棄というのです。そうしてよその国となかよくして、世界中の国が、よい友だちになってくれるようにすれば、日本の国は、さかえてゆけるのです。
みなさん、あのおそろしい戦争が、二度とおこらないように、また戦争を二度とおこさないようにいたしましょう。
蛇足ですが、上の文章に出会ったのは、1985年の「宵々山コンサート」(京都・円山公園音楽堂)で、永六輔さんが「戦後一番感動した手紙」として、この部分を朗読されたんです。 当時は中曽根内閣のもとで日本がきな臭くなり、アメリカのレーガン大統領はSDI(宇宙戦略防衛構想)なんてものをブチ上げていた時代。20歳そこそこの私はこの文章にとても感動して、文字起こしして友人たちに配った覚えがあります。
(スタッフささき)
日本国憲法は、終戦後の1946年に公布されました。 その翌年、文部省が作った中学1年生用の社会科の教材がこの「あたらしい憲法のはなし」です。 1952年まで実際に配布されていました。
童話屋ではこれを「小さな学問の書」シリーズにふさわしいものとして、そのまま復刊しシリーズの第2巻としました。
民主主義と国際平和主義が、この地球上で人類が生き残ることのできる唯一の道だと語る、当時の文部省の熱気が初々しく伝わってきます。
――五十年前、地球は青かった。だが子どもたち、いまぼくたちが住んでいる地球は、 ガガーリンが見た青よりも、心なし、くすんで見えないか。 唯一の道は、文明と大自然の共生、人間と人間がいのちを尊重し合って平和的共存を図ること。ぼくたちに高い志があれば、地球は悠久のいのちの星として、青く輝きつづけるだろう。(表紙・編者のことば)
(出版社サイトより)
商品詳細
編: | 童話屋編集部 |
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寸法: | 15×10cm |
内容: | 80ページ |
製作: | 童話屋 (日本) |
初版発行日: | 2001年02月01日 |
商品の仕様(色、材質、形状、パッケージなど)は予告なく変更することがあります。記載されているすべての寸法と重量は目安であり、それをお約束するものではありません。