新月の子どもたち

  • 新月の子どもたち/斉藤倫・花松あゆみ
  • 1,700円+税(10%税込1,870円)
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商品の説明

目が覚めると独房にいて、自分は死刑囚です。外に出ると羽根のあるクマの看守に点呼をとられ、皆と同じように「ぼくはレインだ。」「そして、ぼくはしぬ」と答えます。ところが、囚人たちが皆同じ答えを返す中で、一人の少女が「わたしはしなない」とこたえます…。

冒頭から不思議な雰囲気に引き込まれますが、次の章では、これが夢で、現実世界の「ぼく」は早い声変わりに悩む小学五年生の男の子です。やがて「わたしはしなない」と答えた少女と現実世界で出会ったり、塾の先生が夢の中に出て来たりと、二つの世界が重なりはじめ、夢の世界での「しぬこと」の意味が明らかになっていきます。「しなない」で、この国から脱出することは現実世界にも影響を及ぼします。ぼくは少女とともに脱出を試みますが…。

以前ご紹介した「どろぼうのどろぼん」「さいごのゆうれい」の作者の新作、やはり言葉の紡ぎ方が好みです。ちなみに夢の世界はトロイガルトという名の国で、死刑囚はドレムトと呼ばれています。あまり詳しく紹介するとネタバレになってしまいますが、今回のテーマは、なりたい自分や、なりたい自分になれないことへのあきらめなどでしょうか。

メッセージ性の強さなど、好みのわかれるところかもしれませんが、私はクセになるような独特の世界に惹きつけられました。気に入って頂けるとうれしいです。

(コプタ通信2022年9月号より つきちゃんこと築山真希子)

斉藤倫、待望の長篇書き下ろし

きみは、だれかの夢。きみは、だれかの未来。
小学5年生の令は、ある日、トロイガルトという国の死刑囚レインとなった夢をみます。死ぬことを当たり前のように受け入れているその世界で、「わたしは、しなない」という少女シグに出会い、いつしか彼女をたすけたいと思うように・・・。

一方現実での令は、合唱コンクールがせまる中、声変わりをからかわれ、歌うことから、自分と向きあうことから、目を背けようとします。しかしクラスメイトにたすけられ、たどりついた自分の新しい声は、ずっとそばにあったレインの声でした。その声に共鳴するかのように、夢と現実が重なりあい、やがて周りにいる人の記憶と世界の扉を開いていく――。

子どもたちが未来に光をみつける、希望を描いた物語。

(出版社サイトより)

商品詳細

作: 斉藤 倫
画: 花松 あゆみ
寸法: 18.8×12.8cm
内容: 312ページ
製作: ブロンズ新社 (日本)
初版発行日: 2022年06月

商品の仕様(色、材質、形状、パッケージなど)は予告なく変更することがあります。記載されているすべての寸法と重量は目安であり、それをお約束するものではありません。

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