みんなたいぽ
- みんなたいぽ/マヒトゥザピーポー・荒井良二
- 2,000円+税(10%税込2,200円)
054-251-8700
商品の説明
「ぼくは おまわりさんだ。わるいやつを つかまえて ろうやにいれる。それが ぼくのしごと。」これが最初のページに書かれたことば。
次の見開きには…、「かれは コンビニで パンをぬすんだ。どうして そんなことを したんだい?」「おなかがすいて つい てが のびてしまったんだ。」「パンがほしければ はたらかなくちゃ ダメだろう?」「しごとがないんじゃよ。」「どうして しごとがないんだ。よくさがしたのか? ろうやではんせいしなさい。」とある。ここだけでも、私はこれはすごい絵本だと思ってしまう。コンビニでパンを盗んでも逮捕されるのに、裏金で私腹を肥やし税金も払わない議員はなぜ逮捕もされないんだろうってね。そんなことを考えさせられる話が最初から出てくるからだ。
次の次の見開きは…「かのじょは ひどいことばで ひとを きずつけた。どうして そんなことを いったんだ?」「ひどいことを いわれて おなじくらい ひどいことばで しかえしをしたんです。」「しかえしを されたひとも いやなきもちに なるんだろう? ろうやではんせいしなさい。」「わかりました。でも、そのかわり、 ことばもたいほしてください。 わたしが ろうやに はいっているあいだも ことばが だれかを きずつけるでしょう。」「よーく わかった。ことばをたいほしよう。ぼくは としょかんにいき、ほんをめくってたいほしました。」図書館の本の冊数を考えると、これ、無理でしょう!できっこないよーと私は思ってしまう。
色んな話が続いた後、最後のほうには、「ろうやのなかは たくさんの いろやおと ひとやことばで あふれていました。すこし せまかったけど おたがいが おたがいの ちかくで いままで したことがないくらい こえをききました。そのうち みんな はなすのにつかれて ねむっているうちに とけていき ひとつの きゅうたいに なりました。その きゅうたいを なんとよぶかは まだ だれもしりません。」とある。この球体って、皆さんは何だと思いますか?
『みんなたいぽ』は不思議なふしぎなストーリーの絵本、荒井良二さん以外にこの本に絵を付けることはできなかったに違いありません。絵の効果もありとてもロック的で、とてもラディカルな本になりました。ぜひ手に取って見て頂きたいです。
(コプタ通信2024年7月号より 柿田)
パンクバンドGEZANのフロントマン、マヒトゥ・ザ・ピーポーと国内外で注目を集め続ける絵本作家、荒井良二による、初のコラボレーション絵本。
パンをぬすんだ。ひとをぶんなぐった。ひどいことばで傷つけた。
「ろうやで はんせいしなさい」
そう言い放つおまわりさんに、みんなが語ったのは?
みんなをたいほした先に、待っていたのは…?貧困、差別、孤独…
現代のさまざまな境界を揺るがし受け止める、新たな傑作絵本がここに。(出版社サイトより)
商品詳細
文: | マヒトゥ・ザ・ピーポー |
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絵: | 荒井良二 |
内容: | 32ページ |
製作: | ミシマ社 (日本) |
初版発行日: | 2023年02月22日 |
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