【通常盤】
ユーリー・ノルシュテイン作品集《2K修復版》 Blu-ray & DVD(通常盤)
商品の説明
ついに、ユーリー・ノルシュテインの作品集が復活しました!相沢が「母の友」(福音館書店)に連載していた「そしてアニメの日々」で、ノルシュテインについて書いたのが、1995年9月号のこと。もう20年以上前になります。当時、販売していたDVD(当時の紹介ページ)も廃盤となってから随分経ったように思います。
今回の《2K修復版》は、なんとロシアのオリジナル・ネガ(撮影時にカメラに入っていた大元のネガ)から、1コマ1コマを2Kスキャン(35mmフィルムを約2000ピクセルでデジタル化)したデータをベースに、何万という数の傷やゴミを除去した後に、色の調整をしたそうです。音声についても、ノイズを抑えつつ、セリフ、効果音、音楽のニュアンスを丁寧に引き出すマスタリングをオノセイゲン氏が行ったとのことです。詳細はイマジカTVのブログをぜひご覧ください。
私も最初は「2Kか〜。4Kじゃないんだ〜」なんて思っていましたが、ブログを読むと修復作業の丁寧さが伝わってきて、「2Kで十分」むしろ「そこまでやってくれてありがとう」という気になってきます。
仕様的な話はさておき、肝心の中身については、以前に相沢が書いた文章が素晴らしいので再掲します。
相沢による「霧の中のハリネズミ」紹介文
子ども向きの文化を考えてみると、優れた作品といわれるものは、絵本であれ、おもちゃであれ、決して子どもを馬鹿にせず、同時に媚びもせずに作られている。そうして作られた作品は、子ども向きであっても、結果的には大人にも充分楽しめる・・・・これは、私の信念とも言うべき持論である。私自信がおもちゃを創作する時も、このことはいつも肝に命じている。ホフマンの絵本、ル・グウィンの児童文学、手塚治虫の漫画、クラーセンの積木・・・・思えば、私がこの信念にたどりつくきっかけになった作品が、各分野に必ずあった。目から鱗が落ちる時というのは、鳥肌モノの感動と共に、その分野に対するそれまでの自分の認識の甘さを思い知らされる瞬間でもあった。
さて、アニメの話である。ロシアのユーリ・ノルシュテインの作品、特にこの「霧につつまれたハリネズミ」を初めて観た時、私はまさにこの感慨を味わった。アニメーションそのものを、お子様ランチ風に考えていたそれまでの自分を恥じた。アニメってこんなに素晴らしいものだったのかと、認識を改めた時から、私の「そしてアニメの日々」は始まったのである。
ハリネズミは毎日友達のクマの所へ行き、一緒にお茶を飲みながら星を数えるのを日課にしている。(この設定がいい。なんて幸せで豊かな世界なんだろう。)でも、ある日クマの所へ行く途中で霧に迷ってしまい、そこで今まで見たことのない世界を体験する。物語は至って単純で明快である。全編を通して優しさが満ちあふれ、この世界にはきっと「いい奴」しかいないんだな・・・・と思えてくる。切り紙と部分実写の、全く違和感のない映像が良い。ハリネズミは本当に可愛い。作者はこの作品について「世界が神秘に満ちていることを感じてほしいし、急がなくてもいいから、人生は何か、ということも考えてほしい」と語っている。確かにそれだけの材料が、このたった十分のアニメにはあると、私は思うのである。
(相沢康夫、『母の友』(福音館書店)'95年9月号より)
世界最高のアニメーション作家による
美しく精緻な映像詩が
2K修復版で甦る世界中のアニメーション、映像関係者から絶大なリスペクトを受け、もはや生ける伝説とも言えるロシアのアニメーション作家ユーリー・ノルシュテイン。発表したほとんどの作品が国際的な映画祭で数々の賞に輝き、中でも1979年の『話の話』は1984年に米国の映画芸術アカデミーと国際アニメーション協会ASIFAが共催した国際アンケートで「歴史上、世界最高のアニメーション映画」として認定されたほどだ。
そのノルシュテイン監督が75歳を迎えた2016年、過去の6作品をロシアでオリジナル・ネガ・フィルムから2Kスキャン、そのデータを日本のIMAGICAにて修復。音声も大元の磁気テープからデジタル化されたものを音響エンジニア、オノ セイゲンが修復&マスタリング。映画史、アニメーション史に燦然と輝く傑作群が、かつて誰も見たことのない高画質・高音質で甦った。
封入特典として豪華32ページブックレット、さらに映像特典として、2016年秋の監督来日時のインタビューや講演の模様を収録した。
2016年12月より劇場公開されている2K修復版もノルシュテイン監督の承認を受けたものだが、ディスク化に臨みさらに色調を追い込みたいという監督の希望を受け、さらなるグレーディング(色調整)を敢行。映画館や放送にかかっているものと異なるバージョンが見られるのは、Blu-rayとDVDのみとなる。
ディスク化の工程はHD CAMやHD CAM SRといったテープにビデオ信号に変換されたものからエンコード(信号の圧縮化)するのが普通。しかし今回は、2K修復されたヒトコマごとのデジタル・データ(=連番ファイル)から直接エンコードすることで画質のロスを最小限に。さらに本編80分という短尺ながら、敢えて2層ディスクを使うことで平均転送レートを約40Mbpsまで向上(これは通常のBS放送の約2倍のデータ量)、さらにMGVCも採用し、対応機器でのよりオリジナルに忠実な色再現も実現。丁寧に修復、マスタリングされた音声も96kHz/24bitのハイレゾでリニアPCM収録。映像、音声ともに最高の状態で味わえるBlu-rayが誕生した。
全6作品収録
- 『25日・最初の日』(1968年/9分)
- 『ケルジェネツの戦い』(1971年/10分)
- 『キツネとウサギ』(1973年/12分)
- 『アオサギとツル』(1974年/10分)
- 『霧の中のハリネズミ』(1975年/10分)
- 『話の話』(1979年/29分)
- ブルーレイは、MGVC(マスターグレードビデオコーディング)*採用!
- 本編音声は世界的音響エンジニア、オノ セイゲンのマスタリングでクリアーに!
- 解説ブックレットを封入!
*「マスターグレードビデオコーディング」は、パナソニック(株)の登録商標です。「マスターグレード」は(株)バンダイの登録商標です。
封入特典
- 32ページブックレット:監督による作品解説や美麗写真満載の豪華ブックレット
Blu-ray仕様
ロシア語(リニアPCM 96KHZ/24bit)モノラル2.0ch
1.日本語字幕 2.英語字幕/1080p High Definition(1:1.37スタンダードサイズ 「ケルジェネツの戦い」のみ1:2.35スコープサイズ)/2層ディスクDVD仕様
1.ロシア語(ドルビーデジタル)モノラル2.0ch
日本語字幕のみ/16:9スクイーズ(1:1.37スタンダードサイズ 「ケルジェネツの戦い」のみ1:2.35スコープサイズ)/片面2層(制作会社サイトより)
商品詳細
監督: | ユーリー・ノルシュテイン |
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美術監督: | フランチェスカ・ヤールブソワ |
制作: | ソユーズムリトフィルム |
内容: | 本編80分+特典34分 映像特典:2016年秋の監督来日時のインタビューや講演の模様(34分) |
製作: | イマジカTV (日本) |
初版発行日: | 2017(オリジナルは1968〜1979年/ソ連) |
商品の仕様(色、材質、形状、パッケージなど)は予告なく変更することがあります。記載されているすべての寸法と重量は目安であり、それをお約束するものではありません。
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