フラーデ工房
亜麻の髪で独特な温かい雰囲気があります。(オルベルンハウ)
亜麻の髪が温かなフラーデ
「マックスとモーリッツ」等のブッシュの絵本やグリム童話など、ドイツ語圏で親しまれているお話のミニチュアシリーズや、木のおもちゃや造形についての優れた研究書で知られるヘルムート・フラーデが1990年にオルベルンハウで開いた工房を、娘さんが受け継いでいます。細部まで手仕事で作られ、独特の温かい雰囲気があります。
クリスマスシーズンにぴったりの天使シリーズ
ヘルムート・フラーデのお話シリーズ
木のおもちゃや造形についての優れた著作も残したヘルムート・フラーデは、オルベルンハウにフラーデ工房を開き、独特の温かい雰囲気を持つミニチュアを作りました(現在は、娘さんが受け継いでいます)。
そのヘルムート・フラーデが同じオルベルンハウのKWO社のためにデザインしたこのシリーズは、「マックスとモーリッツ」で知られるヴィルヘルム・ブッシュの作品や、グリム童話などドイツ人になじみ深いお話を題材にしたものです。
このシリーズを最も特徴づけているのは、繊細でリアリティあふれる造形です。例えば、肘から手にかけては、一度太さを絞ったあとで、服の袖を表現するためにラッパ状に広げるといった細かい加工を施しています。同様に大腿部や膝から下の部分も、単純な円錐形ではなく、リアルな体を思わせるようなシルエットになっています。
しかしながら、ただリアルなだけではなく、極端に手足を細くすることで、軽やかさと可愛らしさも兼ね備えています。また、絶妙な手足の角度から生まれる躍動感のあるポーズ、染めの淡くて渋い色合い(ギュンター・ライヒェルのおじさんシリーズにも似ています)などが、バランスよくデザインされています。お話の世界をミニチュアで見事に表現したこのシリーズは、ヘルムート・フラーデの傑作であり、エルツ山地の中でも最高のデザインのひとつだと思います。(2009年7月10日 佐々木)
- 製作:
- KWO社(ドイツ)
- デザイン:
- ヘルムート・フラーデ(Helmut Flade)