ヴェルナー一家の木工芸品
「おもちゃ発祥の地」とも言われている旧東ドイツ・エルツ山地、その歴史は250年前のにさかのぼります。このエルツ山地北部のザイフェン村は、 かつて錫の生産地として栄えていましたが、錫産業が衰えてくる頃から、砕鉱機をろくろに利用するなどして、おもちゃの生産が盛んになりました。
このザイフェンの伝統を尊重しながら、新旧の作品に取り組んでいるのが、ここに紹介するヴェルナー一家です。父ヴェルターの工房では、 三男ジークフリートと共に、かつての鉱山の様子など、忠実を忠実に物語るような人形たちを作っています。 長男のクリスチアンは、今では数少ない「ライフェンドレーエン」(ろくろ細工)の第一人者です。この工房では、ドイツトウヒの輪切りをろくろに セットし、刃物で削って、愛らしい動物をつくります。 次男のヴォルフガングは、仕掛けや動きのあるおもちゃを得意としています。
この三つの工房は、それぞれが独立した会社経営をしていますが、互いに協力し、部品の供給などをしています。 技術や仕上げなど質実剛健な昔ながらのやり方にこだわりながらも、新しいアイデアも取り入れ、意欲的に品格のある美しい工芸品を作り続けています。 なお、作りが細かいため、小さい子むきではありません。(柿田)