さあ始めよう!バランスボードで『運動革命』

育ちに大切な身体遊び

人間が健やかに育つためには、体を使って色々なことを試し、徐々に高いレベルにチャレンジする、連続した体験が欠かせません。私達はそのため、木を登ったり、塀をよじ登って歩いたり、野原や山で思いきり駆け回ったり、石や丸太などを飛び越えたり、そういった身体遊びを毎日繰り返してきたのです。しかし今、こども達は様々な事情から、屋外で過ごす時間が非常に少なくなっています。

身体遊びの醍醐味は、自分の限界を知り、それを越えていくことです。それは自分の能力を客観的に評価することを学ぶ、格好のチャンスです。能力の壁にぶつかるたびに、こども達はそれを確実に自覚し、自分自身で安全を確保する「危険回避能力」を身に付けます。優れた平衡感覚は、その他の全ての運動・活動の基礎となるものです。平衡感覚が十分に発達していないと、路上や遊び場、スポーツだけでなく、ごく日常的な場面でも行動や反応が不安定になります。これが、特に危険を伴わない平易な状況であっても怪我をしてしまう原因です。

室内での運動遊びが育む自信・コミュニケーション能力

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室内のバランスボードで充分な身体遊びをしているこども達は、今度は自信を持って園庭の丸太橋にも挑戦できます。園庭でジャングルジムを登っていたこども達は、次には立体構成されたバランスボードにも挑戦していきます。こうして室内・屋外の遊びの環境を行き来しながら、こども達はごく普通の毎日の活動の中で、らせん状に育ちのスロープを登っていくと考えられます。

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バランスボードは、自分で行動の結果に責任を持つことや、自分で安全を確保して行動する力を養います。バランスボードはこれまでの体操用具と同様なプログラムも適用できますが、こども達の自主性に任せた遊びであればなお、スムーズに発達を促すよう設計されています。バランスボードは4歳児以上になれば、自分達で組み替えが可能です。彼らの持つ「物語」に沿った、例えば砦や船のようなものに見立てれば、ストーリーの脇役としてこれほど魅力的な舞台はありません。そういったこども達同士の活動を通して、集団での活動に必要なコミュニケーション能力が自然と身についてゆくのです。

多様な材質・構造を持つバランドボード

発達とは総合的なものです。知識と体験は深いところで繋がっており、思わぬ場面で体験が知識として顕れます。例えば後ずさりでバランスを失う人は、数字を大きい方から数えることも苦手です。バランスボードはまた、表面の構造や材質も変化に富んでいるので、色々な知覚による豊かな体験をお約束します。外観や触感と実際に踏んでみたときの不安定さ。この組み合わせの体験が感覚と運動の協応として記憶され、五感ではカバーできない「固有感覚」を育みます。そして優れた平衡感覚は内なるバランスを安定させ、それは知能・情緒・思考を安定させるためにも高い効果を発揮します。ある状況をうまく乗り越えたという成功体験は、次の新たな課題にもチャレンジできる自信とやる気を生み、やがてそれは大きな自己肯定感、「生きる力」へと繋がってゆくのです。

人の能力獲得の仕組みとアフォーダンスの観点からも、遊び場はその利用者であるこども達が自ら判断し、行動できる環境であることが重要です。人は「そこに在るもの」に対応するものです。疲れた山道に岩があれば、誰もがその岩に座ります。同様に、暑い日に木陰があれば寄り添い、岩肌に一輪の花があればそれを眺めます。取っ手があれば引き、ボタンがあれば押します。これが、体験から得られたアフォーダンスです。

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こども達の過ごす環境にバランスボードがあり、それを使うことに障害が無ければ、何ら指導や説明が無くとも、こども達は自然と遊び始めます。そういった、こども達の「やりたいこと」こそは、生きるために選ばれた「今、すべきこと」にほかなりません。

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