言葉で遊ぶリンゴプレイ社のゲーム
私たちがとても気に入っているゲームメーカー「リンゴプレイ社」をご紹介します。
子ども達がドイツ語を学ぶ際の手助けになるゲームを作っています。ほとんどのゲームでは、プレーヤーは言葉を出すことを求められます。楽しんで遊ぶ中で、言葉に慣れていこうというコンセプトです。基本的にはドイツ語用ですが、日本語でも遊べるものがあり、そういったものが輸入されています。もともとのコンセプト、システムがしっかりしているので、日本語で遊んだ場合でも楽しく、言葉を身につける際の手助けになります。
カタログにもメーカーサイトにも説明がないのですが、「LINGO」はラテン語の lingua (舌、言葉、言語)から来ていると思われます。つまり、LINGOPLAYとは、「言葉」と「遊び」をつなげた造語でしょう(輸入元に確認したところ、「言葉の遊び」「言葉で遊ぶ」という意味の造語だそうです)。ゲームを通して、言葉の発達を促そうとする同社の理念がそのまま社名になったと言えますね。
リンゴプレイの設立は1999年。言語療法士として長い経験を持つVera Gerwalinさんが、ゲームを考案しています。ビジネスマンの夫、Jurgen Cloudtさんが、このリンゴプレイのビジネスを支えています。
ここ数年、リンゴプレイ社のカードゲームは、ことばの教室の先生方に熱烈に支持されています。ゲームで遊びながら、ことばの発達を促すというコンセプトが一致するのでしょう。
例えば、「ゆかいな家族」というウノに似たゲームでは、「誰々が何々をしています」という「主語+動詞」構造の文を言いながらプレイします。前の人が出したカードの、「主語(誰々)」もしくは「動詞(何々しています)」が合っているカードを出すことができるのです。
上の写真の場合、左から、「お父さんがゴールしています」→「女の子がゴールしています」→「女の子が唄っています」→「女の子がダイビングしています」といった順番にカードを出していきます(太字は前のカードと共通する要素)。
前の人が言った文の半分はそのまま残し、半分だけ入れ替えることで文を作ることができるのです。しかも自分の出すカードを見ながら言えるので、ハードルがぐっと下がるのです。
さらに、ラインナップが豊富なので、別の種類のゲームもあったりします。場所の概念を使う「ここにいるよ2」では、
ねこがタンスの後ろにいます→ねこが小屋の中にいます→鳥が小屋の中にいます→鳥が机の下にいます→鳥が椅子の上にいます(太字は前のカードと共通する要素)と、位置関係を表す前置詞(の上、の中、の下など)や、物(タンス、小屋、机など)の部分も替わるので、より難しくなります。
リンゴプレイ社のカードゲームは、子ども達がドイツ語を学ぶ手助けとなるように開発されています。もし、あなたがドイツ語を学んでいるのなら、本来のドイツ語学習の用途にお使いいただけます。
例えば、「どこにいるのかな?」というゲームの原題は「Präpofix? -Ablegespiel mit acht Präpositionen-」で、副題は、「8つの前置詞を使ったカード捨てゲーム」ということでしょうか。動物は、Hund、Katze、Mause、Vogel、前置詞は、auf、unter、hinter、vor、über、neben、in、zwischenで、これは3・4格支配の9つの前置詞のうちの8つに相当します(もうひとつはan)。名詞は、die Hütte、der Sessel、der Käse、der Käfig。これらの組み合わせで句を作ります。
例えば、Katze hinter dem Sessel (いすの後ろのねこ)というカードに続けて、Hund hinter der Hütte、Vogel hinter dem Kräfig、Maus hinter dem Käseといったカードを出すことができます。
なお、リンゴプレイのゲームには英語版のルールもついているので、工夫すれば英語学習者用に使うことも可能です。
20周年を迎えたリンゴプレイ
1999年に創業したリンゴプレイ社。ご夫婦でアイデアを出し、話し合い、子どもたちに遊んでもらい、友人のイラストレーターに絵を描いてもらい、事務所の大家さんにデザインの意見をもらい、と周りにいる身近な人たちの力を借りながら、ゲームを作っています。
もともと、「ドイツ語の言語発達の遅れ」や「移民の子どもたちのドイツ語学習」といった課題からゲーム作りが始まっているそうで、ドイツ語を「遊びながら教える」ツールとして作られています。おもちゃでありながら、教育的な目的を隠し持ち、指導者が目的を持って、正しい形で教えることができるのが、リンゴプレイの特長です。例えば、「F」の音から始まるものだけを集めたゲーム、「R」だけのゲームなど、本当に色々な種類のゲームがあります。ドイツの小学校1・2年生の授業で使われることもあるようです。
日本に入ってきているのは、言語依存の少ないものなので、日本語でも楽しく遊べます。20周年を迎え、これからも楽しいゲームを作って欲しいですね。
簡単な言葉を使ったウノ系ゲーム
ゆかいな家族
- LC-2 ゆかいな家族
- 1,800円+税(10%税込1,980円)
- 会員価格(5%OFF)
ウノに似たシステムの、言葉を育てるゲームです。 正しい文を作るのは、簡単なことで...
- 年齢:
- 5歳〜
- 人数:
- 2〜4人
- 時間:
- 25分